趣旨説明

第5期 活動概要

認定期間

2023年4月1日〜2026年3月31日

研究課題 

持続可能なサービスシステムのデザインとマネジメント 

プロジェクトの目的

本研究プロジェクトは、戦略的にサービス目標を低く設定することで、サービスを提供する現場が直面している業務の非効率化や労働力不足などの課題を解決してきた事例に着目し、イノベーティブで持続可能なサービスシステムのデザインとマネジメントに関する知識の体系化を目的とする。持続可能性、顧客満足、業務簡略化の視点からサービスのデザインとマネジメントを行うという新しいサービス観と思考様式を提案し、最善ではないが充分な状況を見つけ出せるという事実を経営学として確立し、さらにSDGsの目標の一つである「働きがいも経済成長も」の実現に寄与することを目指す。

研究の内容と方法

本研究は、戦略的にサービス品質を下げて結果的に成功した事例を、持続可能性、顧客満足、業務簡略化の視点から分析し、持続的にサービスを提供できるサービスシステムのデザインとマネジメントの理論体系化を図り、サービス事業者が直面している課題解決に寄与するため以下の活動を行う。(1) 戦略的サービス品質低下により成功した事例の収集と分析を行い、持続性、満足性、簡略化の視点を内包する数理モデルの構築を行い、その数理的分析を通じてモデルの特性を明らにする。(2) 構築した数理モデルに基づいて、ゲーミング・シミュレーションのモデリング、ゲーム実装、および、ゲーミング実験により、数理モデルの妥当性検証とサービス提供者と顧客の心理的プロセスの変化を明らかにする。(3) 得られた知見に基づいて提案モデルを修正し、個々の事例に合わせた数値シミュレーションやエージェント・ベース・シミュレーション分析を行うことで、提案モデルにもとづいた意思決定支援モデルを構築する。(4) これらの知見を体系化するとともに、実際に体験ができるシミュレーションゲームを構築して社会発信し、研修や教育に場面で活用できるようにする。このように、本研究の特徴は、認識科学としての視座のみならず、設計科学としての視座を持っていること、また、数理モデル、ゲーミング・シミュレーション、エージェントベースシミュレーション手法を循環的に連携させることにより、社会科学における数理演繹法と実験的研究手法を融合させている点にある。 

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