認定期間
2026年4月1日〜2029年3月31日
研究課題
ヒトと技術の共存を扱うゲーミングシミュレーション
プロジェクトの目的
本研究は、本研究拠点(2023年4月–2026年3月)において取り組んできた「持続可能なサービスシステムのデザインとマネジメント」の研究を発展させ、サービス現場における人材制約や不確実性を前提とした意思決定・改善・学習のあり方を、ヒトと技術の共存を扱うゲーミングシミュレーションを通じて明らかにすることを目的とする。これまで研究拠点で着目してきた、最適解を追求するのではなく現場で実行可能な「十分な状態」を見出すという視点を継承し、ヒト的要素と技術的要素が相互に作用するプロセスを体験的に検討可能な設計枠組みの構築を目指す。
研究の内容と方法
本研究では、ヒトと技術の共存を扱うゲーミングシミュレーションを中核として、サービスおよびビジネスの現場における意思決定・業務改善・学習のプロセスを対象に、設計・実装・検証を行う。ゲーミングシミュレーションを単なる教育手法としてではなく、ヒト的要素と技術的要素が相互に作用する状況を体験的かつ構造的に検討する研究方法として位置づけ、現場で実行可能な意思決定や改善行動を導くための設計原理の構築を目指す。
まず、サービス現場や実務の分析を通じて、急速なDX推進の下で生じる課題の本質を整理し、ヒトと技術の並存割合やアナログ的要素の残置量といった設計変数を明示的に扱う基礎モデルを構築する。この基礎モデルをもとに、ゲーミングシミュレーションのモデリングおよび実装を行い、企業・顧客・従業員間の相互作用や意思決定行動を、ゲーミング実験を通じて検証することで、理論モデルの妥当性と参加者の判断・学習プロセスの変化を明らかにする。
次に、ゲーミング実施時およびディブリーフィングの過程において、AIを活用したファシリテーション支援や意思決定支援を組み込み、初学者を含む参加者でも高い学習効果が得られる運用手法の体系化を図る。あわせて、生成AIを活用したゲーミングシミュレーションの設計・実装・事前検証を効率化する方法論を開発し、非構造化された実務データや言語的対話を用いた意思決定スキル向上のための教育訓練システムの構築と評価を行う。
さらに、民間企業との共同研究を通じて、実務での利用に耐えるゲーミングシミュレーションの開発と検証を行い、サービスDXや業務改革の現場への適用可能性を検討する。本研究で得られる知見は、基礎モデル、ゲーミングシミュレーション、AI支援手法、実務適用を循環的に連携させることで統合され、将来的には、異なる業種・業務領域に横断的に適用可能な意思決定・学習支援の設計原理として体系化される。これにより、教育および実務の双方に資する持続的なゲーミングシミュレーション活用の枠組みの確立を目指す。